食物アレルギー児の保育所受け入れ状況等に関する実態調査

書誌事項

タイトル別名
  • THE STATUS OF ADMISSION TO FACILITIES FOR CHILDREN WITH FOOD ALLERGIES
  • ショクモツ アレルギージ ノ ホイクジョ ウケイレ ジョウキョウ トウ ニ カンスル ジッタイ チョウサ

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抄録

<p>【背景・目的】食物アレルギー(以下FA)児の保育所等の受け入れの現状を明らかにする.</p><p>【方法】2018年9~12月に国立病院機構相模原病院を受診中のFA児の保護者に,保育所等の入所を拒否された経験,その理由等について自記式質問紙調査を行った.</p><p>【結果】205名に質問紙を配布し168人(有効回答率82%)から回答を得た.調査時の年齢中央値(範囲)は4.5(0~12)歳,入所時の除去食物は2(1~11)品目であった.56人(33%)に入所前のアナフィラキシー(以下An)の既往を認め,29人(17%)にアドレナリン自己注射薬が処方されていた.20人(12%)に入所を拒否された経験があり,拒否回数の中央値は1.5(1~30)回であった.入所前のAn既往(オッズ比[95%信頼区間]=2.80[1.08-7.22]),除去食物5品目以上(同=3.44[1.27-9.32])が入所拒否と関連していた.拒否理由は,〔FA児に関する要因〕,〔施設に関する要因〕,〔職員に関する要因〕が抽出された.</p><p>【結語】FAの既往だけでなく,施設,職員に関する要因が保育所等への入所のハードルになっているため,FA児の生活環境を包括的に支援するシステムが必要である.</p>

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 70 (4), 293-301, 2021

    一般社団法人 日本アレルギー学会

被引用文献 (1)*注記

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