腹腔鏡補助下に手術を施行した爪楊枝によるS状結腸穿孔の1例

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タイトル別名
  • A Case of Sigmoid Colon Perforation by a Toothpick Treated by Laparoscopic-Assisted Surgery
  • フククウキョウ ホジョ カ ニ シュジュツ オ シコウ シタ ツマヨウジ ニ ヨル Sジョウ ケッチョウ センコウ ノ 1レイ

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抄録

消化管穿孔を疑う症例において,腹腔鏡は低侵襲に詳細な観察が行なえる点で有用である。今回,原因不明の消化管穿孔症例に対して,腹腔鏡下に観察することで爪楊枝によるS状結腸穿孔と診断できた1例を経験した。症例は41歳,女性。左下腹部痛を主訴に受診し,CT検査で腹腔内に少量のfree airを認め,緊急手術を施行した。腹腔鏡下に観察したところ,S状結腸を貫く異物を認めた。S状結腸授動後に小開腹へ移行し,S状結腸部分切除術を施行した。腸管を貫いていた異物は爪楊枝であり,手術7日前に焼肉店で酩酊するまで飲食していたことが術後に発覚し,玉葱に刺してあった爪楊枝を誤飲したものと推察された。爪楊枝による消化管穿孔は稀で,X線透過性であることから術前診断は困難であるとされる。本症例では,穿孔部位と原因の同定,腹腔内汚染の程度を評価できる点で腹腔鏡下での観察が有用であった。

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