北海道十勝地域のナガイモ栽培圃場における土壌断面形態と土壌分類

  • 谷 昌幸
    帯広畜産大学グローバルアグロメディシン研究センター
  • 古林 直太
    帯広畜産大学畜産学部
  • 木下 林太郎
    帯広畜産大学グローバルアグロメディシン研究センター
  • 相内 大吾
    帯広畜産大学グローバルアグロメディシン研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Soil profile characteristics and classification under Chinese yam cultivation in Tokachi district, Hokkaido
  • ホッカイドウ トカチ チイキ ノ ナガイモ サイバイ ホジョウ ニ オケル ドジョウ ダンメン ケイタイ ト ドジョウ ブンルイ

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抄録

<p>北海道十勝地域において,ナガイモ栽培の深耕に伴う土壌撹乱が土壌断面形態に及ぼす影響を調べるとともに,撹乱された土壌の分類について検討した。1986年から現在までにナガイモ栽培を6回行った生産者圃場において,比高の高い地点(上部)と低い地点(下部)の2地点で土壌断面調査を行った。各地点において,バックホーを用いて作業方向に対して垂直な方向に約5 m掘削し,深耕による撹乱の影響を受けている部分と受けていない部分が同時に観察できる地点を選定した。未撹乱部分は層位ごと,撹乱部分は深さごとに土壌試料を採取し,粒径組成,理化学性および選択溶解法によるAl,FeおよびSi量を分析した。上部と下部のいずれの地点でも,深耕や掘削による土壌撹乱を受けていない部分は,掘削した約5 mの中で20-40 cm程度しかなく,大部分が撹乱されていた。撹乱後の部分は層位区分が明確ではなく,撹乱前の部分を見つけることができなければ断面記載を行うことも難しい。本調査では,未撹乱部分を見つけることができたため,その記載と理化学性などに基づいて腐植質褐色アロフェン質黒ボク土(混層造成相)に分類することができた。しかし,撹乱部分は表層土と下層土が混和されることにより土色や理化学性が均質化されているために亜群レベルでの判定が困難になることが予想される。さらに下層に低地土や台地土などが混入する場合には黒ボク土大群に分類されなくなる可能性がある。</p>

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