上行結腸癌と同時に腹腔鏡下に切除した回腸神経節細胞腫の1例

書誌事項

タイトル別名
  • Simultaneously Performed Laparoscopic Resection of Ileal Ganglioneuroma and Ascending Colon Cancer—Report of a Case—
  • ジョウギョウ ケッチョウ ガン ト ドウジ ニ フククウキョウ カ ニ セツジョ シタ カイチョウ シンケイセツ サイボウ シュ ノ 1レイ

この論文をさがす

抄録

<p>症例は68歳,男性.貧血・下血の精査で下部消化管内視鏡検査を施行し,上行結腸に2型腫瘍を認めた.術前のCTでは上行結腸腫瘍の他に,8年前のCTでも指摘されている回腸末端の壁肥厚を認め回腸腫瘍が疑われたため,上行結腸癌・回腸腫瘍の診断で腹腔鏡下回盲部切除術を施行した.術中所見では,回腸末端から約25cm~35cmにかけて全周性に浮腫状に肥厚し腫瘤様の形態であった.肉眼所見では回腸腫瘍は90×80mm大で,割面は粘膜固有層~粘膜下層が白色で最大15mmに肥厚し,組織学的には紡錘形のSchwann cellの増生と大型類円形のganglion cellを認めた.免疫染色ではS-100陽性であり,神経節細胞腫と診断された.神経節細胞腫は交感神経節由来の良性腫瘍で,消化管発生例は極めて稀である.文献的に,自験例は神経線維腫症1型や多発性内分泌腫瘍症を合併しない初めての回腸発生例,かつ最大径の消化管発生例であり,診断ならびに経過観察を含む治療方針の確立には今後の症例集積が必要である.</p>

収録刊行物

参考文献 (9)*注記

もっと見る

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ