観察・実験を通した生命倫理教育の実践的研究 : 看護学科における「動物の発生(魚)」を例に

書誌事項

タイトル別名
  • Practice of Bioethics Education through Observation and Experiment : The Case of "Development of Animal (Fish)" at a Department of Nursing
  • カンサツ ・ ジッケン オ トオシタ セイメイ リンリ キョウイク ノ ジッセンテキ ケンキュウ : カンゴ ガッカ ニ オケル 「 ドウブツ ノ ハッセイ(サカナ)」 オ レイ ニ

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抄録

<p>生命観育成及び生物多様性の理解は,理科教育の重要な目標であり,その基盤となる自然体験や体験的学習と生命尊重の指導の必要性が指摘されている。看護を専攻する学生に対しても,生物に関する科学的知識を深め,生命観を育成し生命倫理教育を実践していくことは重要であると考える。本報では,大学生に「動物の発生」に関する観察・実験の経験を調査すると共に,看護を専攻する学生に対して,大学基礎科目の中で「動物の発生(魚)」の授業を行い,学生の「生命」に対する考え方,及び生命倫理の育成に必要と考えられる科学的知識,生命観,生物多様性の理解等を調査・分析し,生命倫理教育のあり方を検討した。その結果,次のことが明らかになった。(1) 小学校理科「動物の誕生(魚)」におけるメダカの受精卵の観察は約50%で行われていたが,実際に発生の過程が観察できていたのは学生の約20%に過ぎなかった。(2) 大学基礎科目で行った「魚の発生」の授業では学生全員(100%)が,体験的学習を通して得た科学的知識に関する記述をしていた。(3) 学生全員(100%)が生命誕生の不思議さ,命の大切さ等の生命観に関わる記述をしていた。(4) 学生の約80%が人と魚の発生,及び体の構造や機能の共通点と相違等の生物多様性に関する記述をしていた。以上の結果から,「動物の発生」の授業は看護を専攻する学生に対する生命倫理を考えさせる上で有効であったと考えられる。</p>

収録刊行物

  • 理科教育学研究

    理科教育学研究 52 (3), 23-31, 2012-03-02

    一般社団法人 日本理科教育学会

参考文献 (1)*注記

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