ナラ枯れはどのような場所で最初に発生しやすいのか?

  • 吉井 優
    京都府立大学大学院生命環境科学研究科 現 大阪府泉州農と緑の総合事務所
  • 小林 正秀
    京都府立大学大学院生命環境科学研究科 現 京都府森林技術センター

書誌事項

タイトル別名
  • Characteristics of Initial Damage Sites of Japanese Oak Wilt Disease Vectored by <i>Platypus quercivorus</i> (Murayama).
  • ナラ カレ ワ ドノ ヨウ ナ バショ デ サイショ ニ ハッセイ シヤスイ ノ カ?

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説明

<p>カシノナガキクイムシが媒介して発生するナラ枯れが,1980 年代以降に拡大している。本被害が抑えられないのは,被害の発見が遅れ,被害の初期段階で対策が実施されないことが要因になっている。本被害は,最初の被害地から同心円状に拡大するが,被害地から離れた場所で突如として発生することも多い。 このような飛び火的に発生した被害は発見が遅れ,そこを起点に被害が拡大する。被害の拡大を食い止めるためには,被害地から遠く離れた場所で発生する被害が,どのような場所で発生しやすいのかを知る必要がある。そこで,京都府南部で発生したナラ枯れによる枯死木のうち,前年に発生した枯死木から6km 以上離れた場所で発生した枯死木が,どのような場所で発生しやすいのかを解析した。その結果,標高250m 未満の南西~西斜面で最初の被害が発生しやすい傾向が認められた。また,京都府南部では,外来ブナ科樹木が,周囲の樹木に比べていち早く枯れる場合が多かった。これらのことから,飛び火的な被害は,何らかの原因によって衰弱した樹木にカシナガが穿入することで発生していることが示唆された。</p>

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