割引因子統制を導入した多市場接触理論の検証

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  • Experimental test of the multimarket contact theory with discount factor control
  • ワリビキ インシ トウセイ オ ドウニュウ シタ タシジョウ セッショク リロン ノ ケンショウ

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抄録

<p>多市場接触理論(B&W [1]) は無限回繰り返しゲーム理論を基礎に、適切な割引因子水準のもとでは、基準となるゲームと同時にそれより協力しやすいゲームをプレイすると、(a) 基準となるゲームの協力率が単独でプレイする場合よりも高くなる、(b) 基準となるゲームを複数同時にプレイしても、単独プレイの場合と協力率は同じであることを証明した。本研究では、割引因子水準を統制して経済実験を実施し、以下の傾向を観察した。(1) 割引因子が大きくなると協力率が高まること、(2) 同時にプレイするゲームの数が増えるに従って協力率が低くなること、(3) 同時にプレイするゲームの数が2 の時には、利得構造が同じゲームを2 つプレイする方が利得構造の異なるゲームを2 つプレイするよりも協力率が高い。(1) については既存研究(Dal Bo [2]) と同じ傾向だが、(2)と(3) は予想(a) および(b) を支持しないだけでなく、逆の結果となった。この結果から、多市場接触を考える際には、主体の意思決定がゲームの数や利得構造に影響を受けることを考慮べきであることが明らかになった。\n</p>

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