「オームの法則」の指導を再考する

書誌事項

タイトル別名
  • A Reconsideration of the Method of Teaching Ohm’s Law

抄録

<p>いわゆるオームの法則の指導には多くの教師が困難を感じている(福山,2000)。本研究は,オームの法則の指導の困難性,見方を変えれば生徒の学習困難性を改善することを目的とした実践研究である。この学習で一般的に用いられている「発見的な実験」が極めて不合理なものであることを示し,仮説を立てた演繹的な実験に改善した。仮説の設定はアブダクションの過程を既習の知識と経験を論理的に扱うことで容易になることを示した。電圧・抵抗・電流の関係において,現実には独立変数となり得るのは電圧のみであり,電流は従属変数,抵抗は回路の定数である。このとき,学習の中間概念として抵抗の逆数であるコンダクタンスの考え方を用いることでオームの法則を単純な比例式として扱うことができ,数学言語による科学命題の理解を容易にすることができた。この観点から,本研究ではオームの法則を多くの教科書に示されているV=RIやR=<img align="middle" src="./Graphics/abst-20061_1.jpg"/>ではなく,一義的にI=<img align="middle" src="./Graphics/abst-20061_2.jpg"/>Vと表すことを提案している。</p>

収録刊行物

  • 理科教育学研究

    理科教育学研究 62 (1), 331-338, 2021-07-30

    一般社団法人 日本理科教育学会

参考文献 (5)*注記

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