重症心身障害児(者)に対する看護師の共感の程度とその関連要因

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タイトル別名
  • Level of Empathy in Nurses for Individuals with Severe Motor and Intellectual Disabilities and Factors Related to Empathy
  • ジュウショウ シンシン ショウガイジ(モノ)ニ タイスル カンゴシ ノ キョウカン ノ テイド ト ソノ カンレン ヨウイン

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抄録

<p>看護師の重症心身障害児(者)に対する共感の程度とその関連要因を明らかにすることを目的として,関東・中部地方重症心身障害看護師研修会に所属する25の重症心身障害児(者)施設に勤務する看護師495名を対象とした質問紙調査を実施した。質問紙調査においては,看護師の共感を測定する尺度である「共感援助尺度」の16項目,および共感援助に影響を及ぼす可能性がある個人要因,職場環境要因,看護師自身の自己の受け止め方,重症心身障害児(者)看護に対するとらえ方などを尋ね,2変量解析によって共感援助尺度の合計得点に有意差(p<0.05)のみられた要因を抽出した。共感援助尺度の合計得点を目的変数,抽出した要因を説明変数とする重回帰分析を行った結果,看護師の共感との間に関連がみられた要因は,「家族から看護師として頼りにされている」,「重症心身障害児(者)の主観的な訴えを重視している」,「日常生活援助により,重症心身障害児(者)が良い方向に変化していると感じる」,「キャリアコミットメントの合計得点が高い」などであり,共感の高い看護師ほど,重症心身障害児(者)の主観的な訴えを重視して,日常生活援助による重症心身障害児(者)の変化を感じとり,看護の仕事にキャリアコミットしていた。これらのことから,看護師の共感に対する姿勢が看護師と家族との相互作用を促進し,家族から頼られる要因となることが明らかとなった。看護師の共感を高めるには,ワークショップやキャリアコミットメントを高める研修会の企画などが有効であると考える。</p>

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