自閉症スペクトラム障害児童の給食場面における機能的アセスメントにもとづく適切な拒否行動の形成

書誌事項

タイトル別名
  • Shaping Appropriate Refusal Behavior at Lunchtime in a Special School Using an Intervention Based on Functional Assessment: Child With Autism Spectrum Disorder
  • ジヘイショウ スペクトラム ショウガイ ジドウ ノ キュウショク バメン ニ オケル キノウテキ アセスメント ニ モトズク テキセツ ナ キョヒ コウドウ ノ ケイセイ

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抄録

<p>研究の目的 給食場面で不適切な拒否行動を示す自閉症スペクトラム障害児童を対象に、機能的アセスメント(FA)にもとづく適切な拒否行動の形成について検討した。研究計画 チェインジング・コンディション・デザインを適用し、不適切な拒否行動へのFAを実施するアセスメント(BL)期、介入1期、2期、3期で構成した。場面 特別支援学校の教室で実施し給食場面であった。参加児 6歳の知的障害を伴うASD男児1名であった。介入 不適切行動に対するFAの結果より、嫌いな献立からの逃避・回避と担任の注目によって強化されていることが推定された。介入1期では参加児の好みの献立のみを小皿に分けて提示した。2期では身体ガイドにより、介入以前に行動レパートリーにあった担任に皿を手渡す適切な拒否行動を指導した。3期では2期に行なっていた身体ガイドを除去した。行動の指標 不適切な拒否行動と適切な拒否行動の出現回数を記録した。結果 介入2、3期において、不適切な拒否行動の出現回数は低下し、適切な拒否行動の生起が高まった。結論 FAにもとづく代替行動の選定では既存の行動レパートリーにある行動を標的とすることが代替行動の形成において重要であり、代替行動が形成されることで参加児と教師との適切なやりとりが生じることが示唆された。また、学校現場で参加児や教師が無理なく実行できる代替行動の選定や介入手続きの展開について考察した。</p>

収録刊行物

  • 行動分析学研究

    行動分析学研究 35 (1), 42-51, 2020-08-20

    一般社団法人 日本行動分析学会

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