聴神経腫瘍に対する人工聴覚器手術の適応及び術後経過について:聴性脳幹インプラント手術および人工内耳埋め込み術

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タイトル別名
  • Hearing devices for acoustic neuromas
  • チョウシンケイ シュヨウ ニ タイスル ジンコウ チョウカクキ シュジュツ ノ テキオウ オヨビ ジュツゴ ケイカ ニ ツイテ : チョウセイ ノウカン インプラント シュジュツ オヨビ ジンコウ ナイジ ウメコミジュツ

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抄録

<p>聴性脳幹インプラント(auditory brainstem implant: ABI)は,蝸牛神経に障害を受けた際に,中枢側である脳幹の蝸牛神経核に電気刺激を加え,聴覚を獲得させることを目的とする人工聴覚器である.しかしながら,ABIは日本において自由診療となっているため,実際の手術や適応,術後の装用効果について,共有・認識が十分されていない現状がある.</p><p>我々は,両側の聴神経腫瘍術後,重度難聴に至りABI埋め込み術を施行した症例を経験した.ABI術後,語音明瞭度は術前と比較し改善を認めた.ABI単独での会話は困難な状態であるが環境音の聴取は可能となった.両側聴神経腫瘍術後症例に対するABI埋め込み術は,聴覚獲得の一手段になり得ると考えられた.しかしながら,本邦の現状を踏まえ保険適用となっている様々な手段を駆使し聴覚の確保に努める必要もあると考えられる.聴覚確保の方法として,我々は脳神経外科医と協議の上,聴神経腫瘍残存例に対する人工内耳埋め込み術を実施しており,その効果も併せて紹介する.</p><p>ABI手術は,福島県立医科大学脳神経外科学講座,齋藤清教授,佐久間潤教授および日本医科大学脳神経外科学講座,森田明夫教授と共同で実施した.</p><p>本論文の要旨は,第30回日本耳科学会総会・学術講演会(北九州市)において口演発表した.</p>

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