経営者予想のスラックに対してアナリストが与える影響

書誌事項

タイトル別名
  • The Impact of Analysts on the Slack in Management Earnings Forecasts
  • 経営者予想のスラックに対してアナリストが与える影響 : ターゲット・ラチェットに基づく実証分析
  • ケイエイシャ ヨソウ ノ スラック ニ タイシテ アナリスト ガ アタエル エイキョウ : ターゲット ・ ラチェット ニ モトズク ジッショウ ブンセキ
  • Empirical Evidence Based on Target Ratcheting
  • ターゲット・ラチェットに基づく実証分析

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説明

本稿は,アナリストが経営者予想のスラックと目標達成を目的とした利益調整行動に与える影響を解明する。まず,ターゲット・ラチェットのモデルを使い,t+1 期首のアナリスト数とt期からt+ 1 期への目標改定の関係を検証した。検証により,t期の期初予想を達成する経営者はアナリスト数が増えるほどt+1 期にt期よりも高い期初予想を公表することが確認された。次に,アナリスト数と経営者予想のスラックの関連を検証するため,t+1 期首のアナリスト数とt+1 期の期初予想の達成率を分析した。分析から,アナリスト数の増加に伴い期初予想は達成しにくくなることがわかる。このことは,アナリスト数の増加に伴い最終的にスラックがなくなる可能性を含意する。最後に,t+1 期首のアナリスト数とt+1 期の経営者の裁量的会計発生高との間に有意な関連はないが,実体的裁量行動との間に正の関係を確認した。一連の証拠は,アナリストの存在により経営者は高水準の予想を公表するためスラックがなくなる可能性があるが,高水準の予想によって,経営者の増加型の実体的裁量行動が助長される可能性を示唆する。

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