大阪府の家庭料理 行事食の特徴

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タイトル別名
  • Osaka Prefecture home cooking: event foods
  • Focusing on the new year and festivals
  • −正月と祭りを中心に−

抄録

<p>【目的】平成24年から実施している日本調理科学会「次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理」研究において,大阪府で聞き書きした家庭における「行事食」から,正月・祭りの食事を中心に考察する。【方法】調査地域は,大阪府の行政区分および日本の食生活全集「聞き書き大阪の食事」を参考に8地域(泉南・泉北・南河内・中河内・北河内・大阪市・三島・豊能)において,その土地に30年以上暮らしている27名を対象に聞き書きを行った。調査時期は2013年11月〜2015年9月、調査方法等は学会ガイドラインに則った。【結果・考察】出現した行事は、正月・七草・鏡開き・小正月・寒の入り・寒の中・節分・ひな祭り・春ごと・山行き・端午の節句・田植え休み・さなぶり・半夏生・七夕・土用の丑・天神祭り・夏祭り・お盆・藪入り・地蔵盆・彼岸(春・秋)・月見・秋祭り・だんじり祭り・亥の日・冬至・年越しなどであり、家族単位の行事では、誕生日・本復祝い・厄除け・満中陰・葬儀・運動会などがあった。正月料理では、すべての地域で雑煮、おせち料理を食べていた。しかし、その詳細は少しずつ異なり、雑煮のもちの形は丸がほとんどではあるが、角であったり、日によって異なる家庭もあった。用いられた共通の材料は、里芋(小芋)、大根(雑煮大根)であった。睨み鯛(塩焼きあるいは生)が供される地域も多く、祝い肴はごまめ、数の子、黒豆、たたきごぼうであった。また、大阪の代表的な祭りである天神祭りでは、はもやはも皮を使った料理、だんじり祭りでは、がざみとかんと炊き、大豆あんのくるみもちなどが準備され、現在も伝承されている。田植えが終わって農作業ひと段落の日には、半夏生もち、夏・秋祭りには鶏のすき焼きなどが準備されていた。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390289302760370432
  • NII論文ID
    130008085622
  • DOI
    10.11402/ajscs.32.0_169
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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