牛肉の食味総合評価と香り経時変化との関連

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  • Relationships between beef palatability and time series changes of aroma

抄録

<p>【目的】牛肉の食味に香りは大きく影響するが香りの経時変化との関連は不明である.本研究はDescriptive analysis(DA)法とTemporal Check-All-That-Apply(TCATA)法を用いて牛肉香の経時変化と食味総合評価の関連を検討した.</p><p>【方法】牛肉(黒毛和種33,褐毛和種2,交雑種2,海外種2,乳用種1)の胸最長筋部(1㎝厚)を200℃で焼成した.DA法は訓練パネル10名が食味を8段階で評価した.TCATA法はJ-SEMS. TIME(メディア・アイ)を用い,上記訓練パネル中6名が香り10属性(桃様,ココナッツ様,バター様,ロースト,ローストナッツ様,醤油様,血液,脂,獣,グラス)を評価し,嚥下時を100%timeとして tempRで統計解析した.</p><p>【結果】DA法の総合評価が高い順にT1(黒毛10),T2(同),T3(黒毛8・褐毛2),T4(黒毛5・他5)群に分類した. T1群は10%time前後にバター様,20%time前後にローストナッツ様,全体的にローストが高く,前半に獣・グラス・血液が低かった.T2群は20-25%timeにバター様が高いが(p<0.05),香りの立ち上がりがT1群より緩やかであり,T4群は始終,獣・グラス・血液が高く,ローストナッツ様・バター様・ローストは低かった (p<0.05).また,T4群の黒毛和種はT1群と比較して10-30%timeに脂が高く(p<0.05),ローストはT1群を上回る時間帯がなかった.総合評価の高い牛肉は甘い香りと香ばしい香りが速く立ち不快臭を感じにくく,黒毛和種の中でも総合評価が低い牛肉は脂臭を先に感じ香ばしい香りを感じにくいと推察された.</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390289302760388992
  • NII論文ID
    130008085735
  • DOI
    10.11402/ajscs.32.0_72
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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