有明海湾奥高濁度域で観察される冬季珪藻ブルームの消長を制御する物理化学環境

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タイトル別名
  • Effects of the Physicochemical Environment on the Development and Maintenance of Winter Diatom Blooms in Turbid Water in the Inner Western Part of Ariake Bay
  • アリアケカイワン オウコウダクドイキ デ カンサツ サレル トウキ ケイソウ ブルーム ノ ショウチョウ オ セイギョ スル ブツリ カガク カンキョウ

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抄録

冬季の有明海湾奥西部域における満潮時および干潮時の物理化学環境(栄養塩環境・光環境)の評価を行うことを目的 に,当海域への主要な淡水供給源である感潮域からその沖合域にかけて調査を行った.2017年12月5日に,沖合域におい てSkeletonema 属を主体とする珪藻ブルームの発生とそれに伴う栄養塩濃度の減少が観測された.2017年12月26日の満潮 時には,珪藻ブルームの影響により塩田川・鹿島川の感潮域上流部を除きDIN 濃度は低かった.感潮域の上流部は河川 水の影響により栄養塩濃度は高かったが,高濁度のために有光層/水深(zeu/z)比は0.6以下と低い値を示した.一方で 12月27日の干潮時には,感潮域の水塊が下げ潮に伴い沖合域へ拡散することで栄養塩濃度の高い海域が広がっており,さ らに水深が浅くなったことで多くの地点でzeu/z 比は1以上の値を示した.このことは,満潮から干潮にかけて,高栄養 塩水塊中の光環境が珪藻の増殖にとって好転することを示しており,干潮時の沖合域は珪藻の増殖域として重要である可 能性がある.

収録刊行物

  • 沿岸海洋研究

    沿岸海洋研究 59 (1), 1-10, 2021

    日本海洋学会 沿岸海洋研究会

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