アレルギー食の作業工程調査

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Work process survey of allergic foods
  • Ergonomic consideration by skill level
  • −熟練度別人間工学的考察−

抄録

<p>【目的】本研究は、アレルギー食の調理作業における、熟練者(教員)と初修者(学生)の人間工学的作業分析(モダプツ法・筋電図法)を行うことを目的とした。</p><p>【方法】本研究では、調理動作中の一連の人間工学的評価を行うため、人参の千切りとオムライス調理(アレルギー食・通常食)を行なった。被験者は2名(熟練者(教員, 身長 156cm), 初修者(学生, 身長 157cm))である。測定評価項目は、作業姿勢評価、筋活動評価、作業効率評価とした。作業姿勢評価は、WEBカメラで身体全体の動きを撮影し作業姿勢を観察・分析、主要な作業における首・肘、膝の角度算出を行なった。筋活動評価は、各被験者の左右腕橈骨筋、左右上腕二頭筋の筋活動をサンプリング500(Hz)で測定し、積分筋電図(iEMG)を算出した。作業効率評価は、作業ごとに時間を尺度として評価するモダブツ法を用いて、一連の調理動作における各動作時間を分析した。</p><p>【結果】アレルギー食調理に対し、3つの人間工学的作業分析を行い、熟練者と初修者間の差が確認された。作業姿勢評価より、初修者は熟練者に比べ前傾姿勢での作業が確認された。筋活動評価においては、初修者は熟練者よりも2倍近く筋活動が確認され、熟練者の筋活動が確認されない作業でも筋活動が確認された。作業効率評価では、全作業時間において初修者は熟練者の1.6倍の作業時間を有していた。特に、玉ねぎのみじん切りなど包丁を使う作業では、熟練者の方が作業時間は短かった。しかし、フードプロセッサーなど機械を使う作業では作業時間の差は確認されなかった。本研究の結果より、調理工程の増えるアレルギー食調理を初修者が行う際は、作業効率などの観点から調理への機械の組込が有効である。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390289302761097344
  • NII論文ID
    130008085687
  • DOI
    10.11402/ajscs.32.0_32
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ