PNHの発症機序研究の進歩

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タイトル別名
  • Advances in research for pathogenesis of paroxysmal nocturnal hemoglobinuria
  • PNH ノ ハッショウ キジョ ケンキュウ ノ シンポ

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抄録

<p>発作性夜間ヘモグロビン尿症(paroxysmal nocturnal hemoglobinuria, PNH)は,通常,X染色体遺伝子であるPIGAの体細胞突然変異により,GPI(glycosylphosphatidylinositol)アンカーを欠損した造血幹細胞がクローン性に拡大し発症する(PIGA-PNH)。その拡大機序は未だに解明されていないが,異常細胞クローンが免疫細胞の攻撃から逃れて増殖するという選択説と,さらなる遺伝子変異で腫瘍性増殖を獲得するという良性腫瘍説が提唱されている。一方最近の遺伝子解析技術によってGPI生合成遺伝子PIGTおよびPIGB遺伝子の変異によるPNHが相次いで見つかった(PIGT-PNH, PIGB-PNH)。これらは典型的なPNHの症状に加えて,特徴的な自己炎症症状を呈しており,発症機序もPIGA-PNHと異なるのでPNHのサブタイプとして区別すべきである。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 62 (8), 944-953, 2021

    一般社団法人 日本血液学会

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