日本におけるサラセミア

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タイトル別名
  • Thalassemia in Japan
  • ニホン ニ オケル サラセミア

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説明

<p>サラセミアは,ヘモグロビンを構成するαグロビン鎖と,非αグロビン鎖の量的不均衡により,一方のグロビン鎖の産生量が低下したもので,主なものにαサラセミアとβサラセミアがある。赤血球増多症を伴う小球性赤血球症が特徴で,Mentzer indexが13以下であることが診断の一助となる。αサラセミアの遺伝子解析では日本人,在日外国人ともにSEAタイプが最も多く,大きな差がみられない。βサラセミアの遺伝子解析では,日本人と在日外国人で変異のタイプと頻度に違いがみられ,−31 A→G(TATA box)などの日本人特有の変異がみられる。αサラセミアでは例外的に後天性のものが存在し,骨髄異形成症候群に後天性HbH症を伴っている症例がATMDSとして報告されている。最近,輸血依存性βサラセミアに対する新規治療薬としてluspaterceptが試みられ,安全かつ有意に輸血量を減少させることが明らかとなった。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 62 (8), 914-921, 2021

    一般社団法人 日本血液学会

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