実験飼育下で判明したイシガイ幼生の宿主4魚種

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  • Record of Four New Host Species for Glochidia of the Freshwater Unionid Mussel <i>Nodularia douglasiae</i> in Experimental Tanks
  • Record of Four New Host Species for Glochidia of the Freshwater Unionid Mussel Nodularia douglasiae in Experimental Tanks

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抄録

<p>イシガイNodularia douglasiae(岡山県産イシガイ属)の幼生について,それらが寄生を継続して稚貝に変態できる魚種(潜在的宿主)を実験飼育下で確かめた。健常な幼生を人為的に寄生させた10魚種(キンギョ,オイカワ,カワムツ,タモロコ,ミナミメダカ,オヤニラミ,アシシロハゼ,ヌマチチブ,ゴクラクハゼ,ヨシノボリ属の一種)を水槽内で継続飼育して,魚種毎に離脱してきた幼生と稚貝を観察,計数した。その結果,オイカワ,カワムツ,ミナミメダカ,アシシロハゼ,ヌマチチブ,ゴクラクハゼ,ヨシノボリ属の一種の7魚種より,変態を完了させた稚貝が出現した。このうちヨシノボリ属の一種は既にイシガイの宿主として知られていた。オイカワとカワムツは,かつてのイシガイの亜種で現在は同属他種とされるタテボシガイNodularia nipponensisの宿主として知られていたが,本報によりイシガイの宿主としても機能することが判明した。本報では,ミナミメダカ,アシシロハゼ,ヌマチチブ,ゴクラクハゼの4魚種が,日本産イシガイ属の宿主として,新たに検出されたことになる。これらの魚種は自然下においてもイシガイの繁殖に寄与している可能性がある。</p>

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