バカンピシリン内服により非色素沈着型固定薬疹を繰り返した 1 例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Repeated Non-Pigmented Fixed Drug Eruption Due to Bacampicillin
  • バカンピシリン ナイフク ニ ヨリ ヒシキソ チンチャクガタ コテイヤクシン オ クリカエシタ 1レイ

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説明

<p>57 歳,男性。歯科治療後に,両側臀部に色素沈着を残さずに消退する発赤・腫脹を繰り返すことが 2 回あった。2 回とも症状出現時に,臨床所見や血液検査上炎症反応の上昇がみられたため蜂窩織炎と考えられ,セファゾリンナトリウム水和物(セファメジン®)点滴投与を受け数日から 1 週間程度で症状は軽快していた。今回,3 回目の同症状が出現した際に初めて,症状出現前に共通してバカンピシリン(ペングッド®)を内服していたことに気づいた。色素沈着を残さず治癒することと,病理組織学的所見を併せて非色素沈着型固定薬疹(nonpigmenting fixed drug eruption ; NPFDE)と診断した。NPFDE は,固定薬疹の亜型で,色素沈着を残さないという特徴に加え,左右対称性の皮疹の分布や多発傾向,間擦部への好発,不整形紅斑など,通常の固定薬疹と異なる臨床像を呈する。1987 年以降国内外でバカンピシリンによる NPFDE の報告は自験例以外にはなかった。蜂窩織炎様症状を繰り返す症例では NPFDE も鑑別に挙げるべきである。</p>

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 83 (4), 321-323, 2021-08-01

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (5)*注記

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