2018年に播磨灘で漁獲されたヒラ <I>Ilisha elongata</I> 筋肉の一般成分および呈味成分の周年変化

  • 村山 史康
    岡山県農林水産総合センター水産研究所
  • 草加 耕司
    岡山県農林水産総合センター水産研究所
  • 東畑 顕
    国立研究開発法人水産研究・教育機構中央水産研究所
  • 石田 典子
    国立研究開発法人水産研究・教育機構中央水産研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Monthly and seasonal changes of muscle proximate composition and its taste-related components in elongate ilisha, <I>Ilisha elongata</I>, at Harima-Nada Japan in the year 2018
  • 2018年に播磨灘で漁獲されたヒラIlisha elongata筋肉の一般成分および呈味成分の周年変化
  • 2018ネン ニ ハリマナダ デ ギョカク サレタ ヒラ Ilisha elongata キンニク ノ イッパン セイブン オヨビ テイミ セイブン ノ シュウネン ヘンカ

この論文をさがす

説明

ヒラ資源の有効活用を目的として,生殖腺重量比による産卵期の推定を行うとともに,筋肉中の一般成分,遊離アミノ酸および味覚センサ分析に基づく呈味の季節変化を調べた。その結果,産卵期は6~8月と推定された。また,粗脂肪量は冬季に,遊離アミノ酸総量は春季と秋季に高い値を示し,有意な季節変化が認められた。味覚センサ分析において,旨味先味は秋季にあたる10月,旨味後味は春季にあたる4月に最高値を示し,官能評価の結果と一致していた。これらの結果を用いて主成分分析を行ったところ,春季と秋季は遊離アミノ酸が増加していたため旨味が強くなり,冬季は呈味の発現を増強する「脂肪味」が加わったため呈味が濃厚になったと推察された。一方,夏季は産卵によって筋肉中の粗脂肪および遊離アミノ酸を消費したため,あっさりとした呈味になったと考えられた。

収録刊行物

  • 水産増殖

    水産増殖 68 (3), 199-210, 2020

    日本水産増殖学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ