肺移植におけるLiquid biopsy:ドナー由来血中遊離DNAとマイクロRNA

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<p>【背景】低侵襲に血液や体液を採取し解析を行うLiquid biopsyは、癌領域では既に臨床応用され治療方針の決定に一役買っているが、移植領域ではまだ発展途上である。当科では肺移植におけるLiquid biopsyとして、ドナー由来血中遊離DNA(dd-cf-DNA)とマイクロRNA(miRNA)を標的にした研究を行ってきたため、その成果を報告する。【方法】ドナーとレシピエントの一塩基多型を比較してdd-cf-DNAを測定し、生体肺移植後の急性拒絶反応(AR)における診断的意義を検討した。次にレシピエントのみの検体で評価できるmiRNAを測定し、脳死・生体肺移植後の移植片慢性機能不全(CLAD)における診断的意義を検討した。【結果】dd-cf-DNAは、感染群(p=0.028)や安定群(p=0.001)よりAR群で有意に増加しており、生体肺移植後ARの診断に有用であった(Sci Rep 2018)。また線維化に関与するmiRNAが、非CLAD群よりCLAD群で有意に増加しており(p=0.008)、一秒量の変化率とも相関し(p=0.014)、CLAD診断に有用であった。【結論】肺移植のLiquid biopsy として、dd-cf-DNAは生体肺移植後ARの診断に、またmiRNAはCLADの診断に有用である。今後の臨床応用を目指して症例数の集積と簡便で精度の高い方法の開発が望まれる。</p>

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