小児肝移植後の中高生および成人における健康関連QOL調査

DOI
  • 金澤 郁恵
    国立成育医療研究センター 臓器移植センター1)  埼玉県立小児医療センター 保健発達部2) 筑波大学大学院 人間総合科学研究科 生涯発達専攻3)
  • 佐島 毅
    筑波大学大学院 人間総合科学研究科 生涯発達専攻3)
  • 内田 孟
    国立成育医療研究センター 臓器移植センター1)
  • 福田 晃也
    国立成育医療研究センター 臓器移植センター1)
  • 阪本 靖介
    国立成育医療研究センター 臓器移植センター1)
  • 笠原 群生
    国立成育医療研究センター 臓器移植センター1)

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抄録

<p>目的:小児肝移植患者の青年期における健康関連QOLの特徴から支援ニーズを明らかにすること。方法:当センターで肝移植を施行し現在中学生以上の99名を対象に、健康関連QOL調査(中高生はPedsQL日本語版、成人はSF-36v2)と肝移植に関する質問紙調査を実施した。結果:63名の回答を分析した(回収率63.6%)。中高生40名(平均移植時年齢6.6±4.4歳)、成人23名(同13.3±3.1歳)であった。PedsQL下位4項目の比較では「身体的機能」「感情の機能」「社会的機能」と比べて「学校」が有意に低かった(p<0.05)。通院負担感(10段階評価)と「学校」は有意な相関があった。薬の副作用がある群は「感情の機能」が有意に低かった(あり群77.0点なし群94.3点)。SF-36の下位8項目の検討では「日常役割機能(精神)」「活力」「心の健康」は他5項目と比べて有意に低かった。通院負担感と「全体的健康観」「活力」は有意な相関があった。薬の副作用がある群は「日常生活機能(身体)・(精神)」が有意に低かった(身体:あり群44.8点なし群55.2点、精神:あり群37.8点なし群51.2点)。結語:青年期の健康関連QOLに関して、薬の副作用・通院負担感へのフォローアップの必要性が明らかになった。中高生は入院及び通院による早退欠席の影響が示された。成人は心理的な問題や疲労感の影響が示唆された。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 55 (Supplement), 342_1-342_1, 2020

    一般社団法人 日本移植学会

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