Local Movement against Environmental Problems in the Present Day

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Other Title
  • 公害反対運動の現在
  • 公害反対運動の現在 : 名古屋新幹線公害問題を事例に
  • コウガイ ハンタイ ウンドウ ノ ゲンザイ : ナゴヤ シンカンセン コウガイ モンダイ オ ジレイ ニ
  • A Case Study on Noise and Vibration Problem from Shinkansen in Nagoya City
  • ――名古屋新幹線公害問題を事例に――

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Description

<p> 本稿では、長年にわたり展開されてきた住民運動、なかでも名古屋新幹線公害問題をめぐる住民運動を事例として取り上げ、運動を続けざるを得ない現状を検証し、運動の終息に向けた課題を検討する。名古屋新幹線公害問題では、国鉄(当時)との和解成立(一九八六年)から三十年以上を経た現在も、原告団・弁護団が活動を続けている。こうした住民運動の長期化によってもたらされたのは、運動の負担が、原告団のなかでもいまだ運動に従事し続ける少数のコアメンバーに集中するという事態である。JR側の担当者が数年で入れ替わるのに対して、原告団側は、その数が減りはしても、増えることも新しいメンバーと入れ替わることもない。原告団とJRとのあいだには、部分的な信頼関係ができつつあるものの、原告団にとってJRはいまだに、「何しよるかわからん」相手でもあり、住民運動をやめるわけにはいかない。この長期化した住民運動の幕引きには、行政による積極的な介入が必要であり、本稿の事例では、原告団が描く幕引きのシナリオは、住民運動が果たしてきた役割を名古屋市が担うようになるというものである。だが、実際には名古屋市による積極的な取り組みは特定のイシューにとどまり、継続性も懸念される。発生源との共存を強いられる人びとの苦痛や負担を和らげ、少数の住民に負担が集中する住民運動を軟着陸させるためには、いまだ制度化されざる部分の制度化が必要である。</p>

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