P2-40 皮膚バリアの重要因子超長鎖脂肪酸含有アシルセラミドの合成研究

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タイトル別名
  • P2-40 Synthesis of Acylceramides Including Unsaturated Ultra-Long-Chain Fatty Acids for Skin Barrie

抄録

【研究背景】  ヒトを含めた陸上生物の体表面を形成する皮膚はバリアにより保護されている。バリアは感染症,炎症,アレルギー疾患の原因となる病原体や異物・アレルゲンの侵入を防ぐ役割をもつ。そのため,バリア異常は皮膚角化症である魚鱗癬,アトピー性皮膚炎,乾燥肌,感染症の発症を招くことが懸念される。全国には40万人を超えるアトピー性皮膚炎の患者が存在し,その治療薬の社会的ニーズは極めて大きい。しかし,現在のアトピー性皮膚炎の治療はステロイドによる免疫系を抑える対症療法でしかなく,症状の原因を取り除くことができない。バリアの本体は脂質であり,その疎水性が水分の損失と病原菌・異物などの侵入を防いでいる。この特異的な役割を果たすため,皮膚にはバリア形成に特化した脂質分子が存在する。その中でもアシルセラミドはバリア形成に最も重要であり,角質脂質全体の5-8%程度の量しか存在1)しないが,その合成不全・低下は魚鱗癬,アトピー性皮膚炎などを引き起こすことが知られている。いっぽう皮膚中のアシルセラミド構造の特徴として他器官では見られない超長鎖脂肪酸と呼ばれる炭素鎖28以上の脂肪酸を持ち,そのω位に存在する水酸基とリノール酸がエステル結合することで分子量1050前後という中分子セラミドを形成する(Figure 1)。 アシルセラミドはその生理学的・病理学的に重要であるものの,生合成機構や物理的性質(皮膚バリアラメラ構造の維持できる仕組み),治療薬としてのポテンシャルといった機能的知見は未だ不明な点が多い。最近になり皮膚バリア形成不全型ケラチノサイトにアシルセラミドを添加することで皮膚バリア形成関連遺伝子の活性化が

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390289532559980416
  • NII論文ID
    130008092903
  • DOI
    10.24496/tennenyuki.60.0_727-732
  • ISSN
    24331856
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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