P2-16 インドール-2,3-エポキシド等価体の開発と反応性を利用した抗マラリア活性cryptolepineの合成

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  • P2-16 Developement of Indole-2,3-epoxide Equivalent and Synthesis of Antimalarial Cryptolepine

抄録

【研究背景・目的】   アフリカ固有の灌木Cryptolepis sanguinolentaは、西アフリカ民族医学において、マラリア、細菌性呼吸器疾患、高血圧、下痢などの様々な病気の治療に使用されている重要な植物である。本植物の根の主成分であるcryptolepine (1) は、1931年に最初に単離されたインドロキノリンアルカロイドであり、その後、quindoline (2)、cryptolepinone (3)、11-isopropylcryptolepine (4)や、biscryptolepine (5)、cryptolepicarboline (6)、cryptoquindoline (7)、cryptospirolepine (8)といった二量体やスピロ体なども同植物から単離されている(Figure 1)。1,2) 特にcryptolepineへの関心は高く、本化合物をリードとする広範な研究により、抗マラリアをはじめ、抗腫瘍、抗炎症、降圧、抗血栓、抗糖尿病、抗菌、解熱など様々な薬理効果が見出されている。このような背景からインドロキノリンアルカロイドは、格好の合成標的となっており、これまで数多くの合成例が報告されている。3) Cryptolepine (1)の全合成に関してみると、その経路はquindoline (2)を形成後、N-メチル化することで1へと導いており、いかにしてquindolineを構築するかに重点が置かれている。  我々は、cryptolepineをインドールパーツとアニリンパーツとに分け、これらを組み合わせた後に環化する合成経路を想定した。そして、この縮合を可能にするインドールパーツとして、これまで有機合成に利用されていないインドール-2,3-エポキシドを設定した。本研究では不安定なエポキシド等価体の開発と反応性を確立し、その反応性を利用してcryptolepine (1)の全合成を達成することを目的としている。 【逆合成解析】  Cryptolepine (1)は、インドロ[3,2-b]キノリン骨格とその5位窒素上にメチル基を有する。我々は、3-アミノインドール体9bの2位ホルミル化と続く環化によりキノリン環を形成して1を合成できると考えた(Scheme 1)。インドール9bは2-ヒドロ

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390289532560426880
  • NII論文ID
    130008092877
  • DOI
    10.24496/tennenyuki.60.0_583-588
  • ISSN
    24331856
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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