原発事故による県外避難者のメンタルヘルスと生活状況との関連

  • 岩垣 穂大
    早稲田大学人間総合研究センター 早稲田大学災害復興医療人類学研究所 震災支援ネットワーク埼玉(SSN)
  • 辻内 琢也
    早稲田大学人間科学学術院 早稲田大学災害復興医療人類学研究所 震災支援ネットワーク埼玉(SSN)
  • 金 智慧
    早稲田大学災害復興医療人類学研究所 東京大学大学院教育学研究科
  • 大橋 美の里
    早稲田大学災害復興医療人類学研究所 早稲田大学大学院人間科学研究科
  • 賈 一凡
    早稲田大学災害復興医療人類学研究所 早稲田大学人間科学部
  • 中川 博之
    震災支援ネットワーク埼玉(SSN)
  • 愛甲 裕
    震災支援ネットワーク埼玉(SSN)
  • 猪股 正
    震災支援ネットワーク埼玉(SSN)
  • 扇原 淳
    早稲田大学人間科学学術院 早稲田大学災害復興医療人類学研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Relationship between the Mental Health and Living Conditions of Evacuees Post the Fukushima Nuclear Power Plant Disaster : Based on Shinsai Shien Network Saitama’s (SSN) 2018 Survey
  • 原発事故による県外避難者のメンタルヘルスと生活状況との関連 : 震災支援ネットワーク埼玉による2018年の調査から
  • ゲンパツ ジコ ニ ヨル ケンガイ ヒナンシャ ノ メンタル ヘルス ト セイカツ ジョウキョウ ト ノ カンレン : シンサイ シエン ネットワーク サイタマ ニ ヨル 2018ネン ノ チョウサ カラ
  • ―震災支援ネットワーク埼玉による2018年の調査から―

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説明

<p>本研究は,原発事故による県外避難者の生活やメンタルヘルスにおける課題を明らかにすることを目的とした.対象者は原発事故で首都圏に避難中の4,905世帯とした.調査期間は2017年10月~2018年1月であった.回収できた362部(回収率7.4%)を集計の対象とした.</p><p>調査の結果,気分・不安障害調査票(K6)得点13点以上の割合は20.2%であった.17点以上の割合は10.8%であった.ロジスティック回帰分析の結果,経済的困難「なし」群に対し,「あり」群における心理的苦痛の調整済みオッズ比は3.906と有意な正の関連を示した.自由記述の分析では,経済的な悩み・不安,仕事に関する悩み・不安,加齢に対する悩み・不安などの課題が明らかとなった.</p><p>これらの結果から,個別具体的な支援活動を強化すること,複雑に絡み合う生活課題を解決するワンストップの相談機関の設置を制度化すること,民間支援団体が新たなコミュニティ育成のために行う交流会やイベントへの公的支援を充実させる必要性が示唆された.</p>

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 61 (7), 629-641, 2021

    一般社団法人 日本心身医学会

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