砥粒の滞留性に着目した微粒子添加ラッピングによる研磨特性の向上

書誌事項

タイトル別名
  • Improved lapping performance by mixed particle slurry considering the stagnation of abrasives
  • トリュウ ノ タイリュウセイ ニ チャクモク シタ ビリュウシ テンカ ラッピング ニ ヨル ケンマ トクセイ ノ コウジョウ

この論文をさがす

抄録

<p>さまざまな硬脆材料の需要拡大にともない,ラッピングにおける研磨特性の向上が求められている.研磨特性に影響する要素として,作用砥粒数および砥粒-工作物間の相対速度が挙げられる.これらの要素を改善し,研磨特性の向上を目的として,定盤上での砥粒の滞留性に着目したラッピング技術の開発を行った.本研究では,スラリ-に対し,砥粒と異なる微粒子を添加することで砥粒の滑りを妨げ,その滞留性の改善を試みた.WA砥粒に各種粒子を添加してガラスをラッピングした結果,研磨能率は粒子の種類に依存することがわかり,SiO2粒子の添加により,最大で45%の研磨能率向上がみられた.砥粒と粒子のゼ-タ電位を調べた結果,両者のゼ-タ電位の正負の関係が研磨能率に関与することが示された.添加粒子の粒径や濃度の影響を調べた結果,添加粒子は砥粒と工作物の直接接触を妨げない範囲で添加することで研磨特性が改善されることを示した.ラップ定盤表面の粗さは砥粒のみによる研磨特性に影響するが,粒子を添加した場合はその影響を受けにくく,定盤表面の粗さによらず研磨能率が維持されることが明らかとなった.</p>

収録刊行物

  • 砥粒加工学会誌

    砥粒加工学会誌 65 (4), 195-200, 2021-04-01

    社団法人 砥粒加工学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ