泌乳ラットにおける<i>Kiss1</i>発現抑制を担うエストロゲン受容体共役コリプレッサーの探索
書誌事項
- タイトル別名
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- Expression of estrogen receptor co-repressor gene in <i>Kiss1-</i> or <i>Tac3-</i>expressing cells in lactating rats
抄録
<p>【目的】泌乳ラットでは,生殖中枢である弓状核キスペプチンニューロンにおけるキスペプチン遺伝子(Kiss1)発現が抑制され,その結果,黄体形成ホルモン分泌が抑制される。これらの抑制は,泌乳後期(約20日間の泌乳期中の分娩後10日以降)には,エストロゲン依存性である。そこで本研究では,泌乳ラットのエストロゲン依存性のKiss1発現抑制を担うエストロゲン受容体α(ERα)共役因子の探索を目的とした。ERα共役コリプレッサーのひとつである核内受容体コリプレッサー2(Ncor2)に着目し,泌乳ラットのKiss1発現細胞におけるNcor2発現の有無を検討した。【方法】Wistar-Imamichiラットを用い,分娩後に卵巣除去し,生理的濃度のエストロゲンを処理した泌乳ラット(泌乳群)および分娩後に乳仔を取り除いた非泌乳ラット(非泌乳群)を設け,分娩後16日目に脳を採取した。両群のラットの脳切片を用いて,(1)Kiss1とNcor2との蛍光二重標識in situ hybridization(ISH),および(2)Kiss1と共発現することが知られるニューロキニンB遺伝子(Tac3)とNcor2との蛍光二重標識ISHにより,弓状核キスペプチンニューロンにおけるNcor2発現を検討した。【結果および考察】(1)非泌乳群では,約9割のKiss1陽性細胞において,泌乳群では,約8割のKiss1陽性細胞においてNcor2の共発現が認められた。(2)非泌乳群では,約9割のTac3陽性細胞において,泌乳群では,約9割のTac3陽性細胞においてNcor2の共発現が認められた。以上の結果から,非泌乳,泌乳にかかわらず,殆どの弓状核キスペプチンニューロンにNcor2が発現することが明らかとなった。これらの結果から,泌乳後期におけるエストロゲン依存性のKiss1発現抑制にERαコリプレッサーであるNcor2が,ERαと共役してKiss1発現の抑制を仲介する可能性が示唆された。</p>
収録刊行物
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- 日本繁殖生物学会 講演要旨集
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日本繁殖生物学会 講演要旨集 114 (0), OR-25-OR-25, 2021
公益社団法人 日本繁殖生物学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390289697237873024
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- NII論文ID
- 130008103793
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可