減数分裂時の交叉異常を呈する<i>repro57</i>(-/-)雌マウスにおける表現型解析
書誌事項
- タイトル別名
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- Phenotype analyses of <i>repro57</i>(-/-) female mice with defective crossing-over during meiosis
抄録
<p>【背景・目的】卵成熟過程には様々な遺伝子が関与しており,これらの異常は雌性不妊を惹起する。ENU誘発突然変異マウスであるrepro57マウスは,減数分裂時の交叉形成に関与するRnf212遺伝子に変異を有し,雌雄ともに野生型(WT)との自然交配後に不妊を呈す。repro57 (-/-)雄個体の精子形成は第一減数分裂前期で停止することが報告されている一方,repro57 (-/-)雌個体の不妊原因は未だ不明である。本研究ではrepro57 (-/-)雌マウスにおける表現型解析を目的とした。【方法】過排卵処理したWTおよびrepro57 (-/-)雌マウスのMII期卵をWT由来精子を用いて媒精し,タイムラプス観察システムにより胚発生率ならびに発生動態を解析した。また,MII期卵の染色体スプレッドを作成し,抗セントロメア抗体を用いて各姉妹染色体の倍数性/異数性および二価染色体間の動原体の距離を調べた。【結果】IVF後の受精率,胚発生率ともにrepro57 (-/-)で有意な低下が見られた(p < 0.01)。WTでは発生動態に異常が認められなかったのに対し,repro57 (-/-)ではフラグメント,細胞分裂失敗,空胞形成,不均等卵割などの形態異常が認められ,形態異常率は54.2%と高値であった(p < 0.01)。またWTのMII期卵は全て正倍数性を示し,動原体の全てが接着を保持していたのに対し,repro57 (-/-)では90.9%に異数性が認められ(p < 0.01),動原体の有意な解離が認められた(p < 0.01)。【考察】本研究よりrepro57 (-/-)雌マウスでは,受精能の低下および胚発生過程における細胞分裂の異常による胚発生能の低下が明らかとなった。また,MII期卵において動原体分離が観察されたことから,姉妹染色体の早期分離による染色体の異数性が不妊原因のひとつであることが示唆された。repro57 (-/-)雌マウスのさらなる解析は,高齢不妊患者に多く見られる染色体分離異常の解明の一助となり得る。</p>
収録刊行物
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- 日本繁殖生物学会 講演要旨集
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日本繁殖生物学会 講演要旨集 114 (0), OR-1-OR-1, 2021
公益社団法人 日本繁殖生物学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390289697238916352
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- NII論文ID
- 130008103847
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可