Evaluation of the developmental potential of early mouse preimplantation embryos using chromatin looseness measured by live imaging

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  • クロマチン構造の緩さのライブイメージングによるマウス着床前初期胚の個体発生能評価

Abstract

<p>【目的】クロマチンの緩さはES細胞の分化能の指標として知られている。そこで,我々は胚においてもクロマチンの緩さが個体発生能の高低に関わっているのではないかと考えた。本研究ではFRAP(Fluorescence recovery after photobleaching)法により,胚を生かしたままクロマチンの緩さを測定することで,個体発生能を評価する方法の確立を目指す。【方法】過排卵処理を施したBDF1マウスから採卵を行い,ICRマウスから採取した精子を用いてIVFを行った。媒精から2–3時間後にmRNAを注入し,蛍光標識ヒストン(eGFP-H2B)を発現させた。その後,1細胞期または2細胞期にてFRAP解析を行い,ヒストンの置換速度を測定した。このヒストンの置換速度からMobile Fraction; MF(%)を算出し,クロマチンの緩さの指標とした。クロマチンが緩い(MFが高い)解析胚から順に1細胞期ではA-Fの6グループ,2細胞期ではa-dの4グループに分け,グループ間の胚盤胞率および産仔率を比較した。【結果】1細胞期と2細胞期共に,クロマチンが最も締まったF, dグループの胚盤胞率が最も低くなった(1細胞期:A: 82, B: 91, C: 94, D: 91, E: 89, F: 66%;2細胞期:a: 93, b: 100, c: 93, d: 77%)。また有意差は見られなかったが,1細胞期と2細胞期共に,クロマチンが最も緩いA, aグループの胚盤胞率がやや低い値を示した(上記)。さらに,1細胞期でFRAP解析を行った胚についてはC-Fの4グループで胚移植を行ったが,産仔への発育も胚盤胞率と同様の傾向を示した(C: 44, D: 41, E: 29, F: 14%)。【考察】以上の結果から,胚のクロマチンは緩すぎても締まりすぎても悪影響であるが,特に締まりすぎた際に発生を強く阻害し,適切な胚発生にはクロマチンの適度な緩みが重要であると考えられる。これにより,クロマチンの緩さから個体発生能を評価できる可能性が見出された。</p>

Journal

Details 詳細情報について

  • CRID
    1390289697239969280
  • NII Article ID
    130008103839
  • DOI
    10.14882/jrds.114.0_p-47
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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