Neuropeptide Bの脳室内投与による黄体形成ホルモン分泌増加作用

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  • Central injection of neuropeptide B induces luteinizing hormone release in female rats

抄録

<p>Neuropeptide B(NPB)は,GPR7の内因性リガンドして発見されたペプチドであり,摂食制御や痛覚調整など,複数の生理作用をもつことが報告されている。また,我々の先行研究により,視床下部腹内側核におけるNPB遺伝子発現が,エストロジェン(E2)により抑制されること(第112回日本繁殖生物学会)から,NPBは生殖制御にも関与している可能性が考えられる。そこで,本研究ではNPBの中枢投与が黄体形成ホルモン(LH)分泌に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。Wistar-Imamichi系統の成熟メスラットを卵巣除去し,E2含有シリコンチューブを皮下に留置した(OVX+ E2)群と,卵巣除去(OVX)群を用意した。NPBの中枢投与の影響を明らかにするため両群の第三脳室にNPB(3または30 nmol)または溶媒(対象群)を投与し,無麻酔・無拘束下で,3時間(6分間隔)の採血を行った。得られた血漿中のLH濃度をラジオイムノアッセイ法により測定した。LH曲線下面積の解析を行い,1時間ごとの血中LH放出量を解析した結果,E2存在下では,低濃度(3 nmol)のNPB投与により,投与後60分以降で血中LH放出量が対象群と比べて有意に増加した。高濃度(30 nmol)のNPB投与では,投与後1時間の血中LH放出量は対象群と比べて有意に増加したが,60分以降は有意な差はみられなかった。一方,OVX群では,NPB投与によるLH分泌の増加はみられなかった。本研究により,雌においてNPBは,中枢に作用しE2依存的にLH分泌を増加させることが明らかとなった。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390289697240964864
  • NII論文ID
    130008103865
  • DOI
    10.14882/jrds.114.0_p-1
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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