心拍の引き込み現象を利用した入眠誘導手法の検討

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タイトル別名
  • Investigation for Inducing Sleep using Entrainment of Heart Rate

抄録

<p>近年,日本では入眠障害が問題となっている.先行研究では音楽療法による改善が行われており,主観的な効果は得られたと報告されている.しかし,睡眠の質に対する定量的な効果は示されていなかった.本研究では,心拍数のフィードバックを用いた入眠誘導システムを開発し,引き込み現象を利用した心拍間隔の延長による睡眠潜時の短縮を検討した.その時の心拍数より少し低いテンポの音を聴かせ,引き込み現象により心拍数を下げる手法を提案する.時刻tの心拍数を基準として30分間で10 bpm下げる傾きを算出する.この傾きと逐次計測される心拍数から音の速度と音圧を変化させ,被験者へ音を提示する.男性6名(22.5 ± 1.0歳)を対象とし,30分間昼寝を行わせた.引き込み音提示ありと音提示なしの条件を各1回,計2回実施した.評価方法として,生体アンプである脳波センサZA-Xを用いて脳波と心電図を計測し,脳波から睡眠潜時の短縮を評価した.加えて,心電図から心拍数と副交感神経指標の変動を評価した.本実験の結果から,被験者6名中4名が睡眠潜時の短縮に効果があった.睡眠潜時および心拍数と副交感神経指標の変動から効果を示せたのは2名であった.効果のあった2名は引き込み現象が影響していると考えられる.今後は実験環境の見直しが必要である.加えて,音の嗜好性,音の心地良さ,音が催す眠気,音への集中度合等が睡眠へ及ぼす影響を測る方法を検討する.</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual59 (Abstract), 377-377, 2021

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390289765040820096
  • NII論文ID
    130008105253
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual59.377
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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