胆道閉鎖症術後35年目に胆管癌が判明した1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Intrahepatic Cholangiocarcinoma 35 Years After Operation for Biliary Atresia
  • タンドウ ヘイサショウ ジュツゴ 35ネンメ ニ タンカン ガン ガ ハンメイ シタ 1レイ

この論文をさがす

説明

<p>症例は35歳男性.生後69日に胆道閉鎖症に対してKasai手術(逆流防止弁付き空腸間置の十二指腸再建)を施行された.術後経過は良好だったが,22歳時に通院を自己中断した.34歳時に黄疸を指摘され当院消化器内科に紹介となった.腹部CTで肝内胆管拡張を認め,吻合部狭窄の診断で内視鏡的逆行性胆管造影を試みるも吻合部が同定されなかった.黄疸が増悪し肝移植可能な他院紹介となったが,紹介先で経皮経肝胆道ドレナージが施行され減黄が得られた.当院で外瘻管理を行っていたが,発熱や肝機能障害を繰り返した.嘔吐を認めるようになり上部消化管内視鏡を施行,十二指腸に腫瘍を認め,CTで多発肝腫瘍・胸腹水貯留を指摘された.胆汁・胸腹水細胞診,超音波内視鏡ガイド下生検にて肝内胆管癌と診断,化学療法を行うも反応は不良で34歳の再診から10か月で永眠された.胆道閉鎖症術後の胆管癌は予後不良である.自己肝長期生存例では発癌を考慮した経過観察が必要と考えられた.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ