イオン化リン脂質を使った脂質ナノ粒子による臓器選択的mRNAデリバリー
-
- 中村 直人
- 富士フイルム(株)
この論文をさがす
抄録
mRNAを医薬品として応用する試みが加速度的に進んでいる.COVID-19ワクチンに留まらず,その短時間の発現を利用してオフターゲットの懸念が大きい遺伝子編集治療への応用も期待されている.生体成分との接触で容易に分解するmRNAを医療応用するには,脂質ナノ粒子(lipid nanoparticle: LNP)に内包する手法がよく用いられる.典型的なLNPでは,細胞外でのmRNAの安定化や細胞内でのエンドソーム脱出を目的に,イオン化脂質,リン脂質,コレステロール,PEG脂質の4成分が使用される.これまでイオン化脂質のpH応答性を最適化しエンドソーム脱出能を付与する研究が多く行われてきたが,本稿では,粒子表面の安定化を担うリン脂質にpH応答性を付与し,活性向上および臓器選択性の付与を検討した報告を紹介する.<br>なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.<br>1) Shuai L. et al., Nat. Mat., 20, 701-710(2021).
収録刊行物
-
- ファルマシア
-
ファルマシア 57 (11), 1047-1047, 2021
公益社団法人 日本薬学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390289920603103616
-
- NII論文ID
- 130008110084
-
- ISSN
- 21897026
- 00148601
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可