P-12-03 混合病棟における小児レスパイト入院の導入経過
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抄録
はじめに A地域の重症心身障害児(以下、重症児)は地域内に短期入所施設がないため、郊外の施設を利用せざるを得なかった。行政の要請および近隣の重症児患者のために、我々は急性期混合病棟であるB病院C病棟でレスパイト入院事業を開始したので、導入経過を報告する。なお、本報告の発表についてはB病院看護部の承認を得た。 実践経過 B病院C病棟は、小児科担当看護師8名、小児科医5名で運営される7:1看護の小児科・内科の混合病棟(47床)である。 2017年10月に看護師、小児科医、医療ソーシャルワーカーなどでワーキンググループを発足した。まず、レスパイト入院を実施している他施設を見学し、入院システム構築の参考にした。加えて小児看護専門看護師の支援を得て、病院職員に重症児の看護について定期的な学習機会を作った。2018年4月からC病棟でレスパイト入院事業を開始し、2018年度の利用患者数は4人、延べ入院件数は10件、延べ入院日数は37日であった。 レスパイト入院1例実施後に、C病棟の担当看護師へ自由記載のアンケートを実施した。重症児のケアは時間を要するため事前の勤務体制の調整が必要となること、夜勤帯は看護師の人数が減るため、重症児看護への不安が増すことが判明した。結果を踏まえ、入院時期・日数、勤務体制の事前調整を図り、夜勤帯の看護体制の不安を軽減させるために当該病床にビデオカメラを設置した。 考察および今後の課題 重症児とその家族が安心してレスパイト入院を過ごすためには、入院前の入念な情報収集や個人に合わせた看護が必要となる。一般的に混合病棟では小児科病棟と比較して、十分な医療ケアを提供できないなどの理由から重症児の入院が忌避される。しかし、C病棟では重症児の看護を時折実践していたため、混合病棟ながらレスパイト入院事業を開始できた。現在は、平日のみの受け入れだが、今後は看護体制を整えることで休日運用ができるように努める。 申告すべきCOIはない。
収録刊行物
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- 日本重症心身障害学会誌
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日本重症心身障害学会誌 44 (2), 467-467, 2019
日本重症心身障害学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390289920603213440
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- NII論文ID
- 130008108573
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- ISSN
- 24337307
- 13431439
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可