精神障害者を対象としたエンパワメント実践プロセスの質的研究――ピアサポーターの言語化支援に着目したTEA分析――

書誌事項

タイトル別名
  • A Qualitative Study of an Empowerment Practice Process for Individuals with Mental Disorders: Trajectory Equifinality Approach Analysis Focused on Support for Peer Supporters in Verbalization
  • セイシン ショウガイシャ オ タイショウ ト シタ エンパワメント ジッセン プロセス ノ シツテキ ケンキュウ : ピアサポーター ノ ゲンゴカ シエン ニ チャクモク シタ TEA ブンセキ

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抄録

<p>本研究の目的は,エンパワメントを志向したソーシャルワーク実践プロセスの可視化により,エンパワメント実践への挑戦を促進することである.エンパワメント実践は広範に及ぶため,ピアサポーターとして活動する4名の精神障害者を対象とした言語化支援に着目し,約10年続く実践プロセスをTEA(複線径路等至性アプローチ)を用いて分析した.分析の結果,言語化支援のプロセスは,ソーシャルワーカーへの相談を促す個人的次元,仲間と経験を語り合う対人的次元,啓発活動を行う社会的次元に区別された.言語化の形は変容するが,すべての次元にエンパワメント実践で重視されるポイントが専門的価値として存在していた.各次元の分析により,エンパワメント実践は基本原則に基づく実践により成立することが明らかになる一方で,ソーシャルワーカーのエンパワメントに関する認知が,実践への適用に作用する可能性が示唆された.</p>

収録刊行物

  • 社会福祉学

    社会福祉学 62 (2), 60-75, 2021-08-31

    一般社団法人 日本社会福祉学会

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