梅毒核酸検査における唾液やうがい液の有用性についての検討

  • 花岡 希
    国立感染症研究所感染症危機管理研究センター プライベートケアクリニック東京
  • 中山 周一
    国立感染症研究所細菌第一部
  • 尾上 泰彦
    プライベートケアクリニック東京
  • 野尻 直未
    国立感染症研究所感染症危機管理研究センター
  • 萬田 和志
    プライベートケアクリニック東京
  • 大西 真
    国立感染症研究所細菌第一部

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluation of availability of syphilis nucleic acid testing using saliva or gargle
  • バイドク カクサン ケンサ ニ オケル ダエキ ヤ ウ ガ イ エキ ノ ユウヨウセイ ニ ツイテ ノ ケントウ

この論文をさがす

説明

近年、我が国では梅毒患者が増加している。血液や擦過物の検体採取は患者への侵襲性を伴う。梅毒の病原体であるTreponema pallidum(TP)を患者検体から同定することは、確定診断につながり重要である。そこで本研究では、簡便に採取できる検体である唾液やうがい液を用いたTP核酸検査の有用性を検討した。既往歴がなく各種抗体検査で梅毒陽性(74名)、陰性(4名)となった患者の唾液やうがい液の検査残渣を用いて、TP核酸を同定した。TPの2カ所の遺伝子を各々標的とした2種類の核酸検査法を用いた。全体での感度は抗体検査と比較してPCR法で21.6%、Realtime PCR法で36.5%であった。特異度は、両法とも100%だった。梅毒感染等の経過期間や性別によって感度が異なり、特に第2期の女性では、Realtime PCRで100%だった。口腔内所見のない患者の唾液やうがい液からTP核酸が検出できたことは、今後の簡便かつ侵襲性の低い、QOLの向上につながるスクリーニング法の開発が期待できた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ