熱量測定を用いた薬剤性末梢神経障害の要因解明

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説明

末梢神経障害は,運動神経や末梢神経が何らかの要因により障害され,手足の力が入らない状態やしびれ・痛みを伴う.抗悪性腫瘍薬の投与により生じる副作用の一種であり,患者のQOLを著しく低下させるため,臨床上大きな問題となっている.末梢神経障害の検査には血液検査や末梢神経伝導検査などが用いられるが,薬剤性末梢神経障害は他の神経症状との鑑別が難しく,その存在が見逃されることもまれではない.シクロホスファミド(CP)を投与中に発症した多発性神経障害の原因を究明するため,熱量測定を用いて末梢神経や筋肉に対するCPの毒性効果を測定したPéter Farkasらの論文を紹介する.<br>なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.<br>1) Farkas P. et al., J. Thermal Anal. Calorim., online 15 March 2021, doi: 10.1007/s10973-021-10774-7<br>2) 向山 厚ほか,蛋白質科学会アーカイブ, 1e039(2008).<br>3) Farkas P. et al., J. Thermal Anal. Calorim., 126, 47-53(2016).<br>4) Sato Y. et al., J. Biol. Macromol., 91, 151-157(2016).

収録刊行物

  • ファルマシア

    ファルマシア 57 (11), 1049-1049, 2021

    公益社団法人 日本薬学会

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