心肺蘇生時の胸骨圧迫が誘因として示唆された急性大動脈解離の1例

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タイトル別名
  • A case of acute aortic dissection suggested to be induced by chest compressions during cardiopulmonary resuscitation
  • シンハイ ソセイジ ノ キョウコツ アッパク ガ ユウイン ト シテ シサ サレタ キュウセイ ダイドウミャク カイリ ノ 1レイ

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抄録

<p>心肺蘇生時の胸骨圧迫によるさまざまな合併症が報告されているが,大動脈解離はまれである。症例は72歳,男性。肺炎を契機とした慢性閉塞性肺疾患の急性増悪により心肺停止となったと考えられたが,心肺蘇生により自己心拍再開しICU管理を行った。心拍再開直後に撮像した造影CT画像では認めていなかった偽腔閉塞型Stratford B型大動脈解離を第4病日のフォローCTで確認し,蘇生処置の胸骨圧迫がその誘因となった可能性があると考えられた。本症例における合併症の発生は胸骨圧迫による胸部大動脈への外力に加えて,胸骨圧迫の位置の異常と患者基礎疾患が機序に大きくかかわっていると考えられた。改めて胸骨圧迫の適切な位置,深さ(強さ),速さの強調と実施が大動脈解離を含めた合併症回避のために重要である。 </p>

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