肩甲下筋腱頭側部断裂に対する鏡視下修復術後の修復腱板評価

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抄録

本研究の目的は,鏡視下腱板修復術の際に肩甲下筋腱頭側部修復を追加した症例の,その修復状態を評価することである.2018年1月より2019年3月までに,鏡視下腱板修復術の術中に肩甲下筋腱頭側部断裂を認め単層法で修復を追加し,術後1年以上経過観察可能であった38例を対象とした.術前後のMRIにてMRI scoreで修復状態を評価し,Gap signとの関連を検討した.また,術前後の自動肩関節可動域,等尺性筋力を計測し,術後MRI scoreとの相関を検討した.平均MRI scoreは術前4.0から術後1.8へと有意に改善し,術後Gap signとの関連を認めた.可動域は,屈曲および内旋は有意に改善したが,外旋は有意な改善は認めなかった.筋力は,90° 外転位外転,下垂位外旋,下垂位内旋とも改善を認めたが,術後MRI scoreは,いずれの術後可動域,筋力改善率とも相関は認めなかった.MRI scoreは術後修復状態の評価に有用な可能性があるが,その状態により臨床成績に違いは認めなかった.

収録刊行物

  • 肩関節

    肩関節 45 (2), 283-285, 2021

    日本肩関節学会

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