舌下免疫療法の小児適応拡大後の小児アレルギー性鼻炎患者における皮下免疫療法の必要性に関する検討

  • 大岩 香梨
    神戸市立医療センター中央市民病院小児科
  • 岡藤 郁夫
    神戸市立医療センター中央市民病院小児科
  • 田中 裕也
    兵庫県立こども病院アレルギー科
  • 伊藤 環
    神戸市立医療センター中央市民病院小児科
  • 李 崇至
    神戸市立医療センター中央市民病院小児科
  • 奥立 大樹
    神戸市立医療センター中央市民病院小児科
  • 鶴田 悟
    神戸市立医療センター中央市民病院小児科

書誌事項

タイトル別名
  • NEED FOR SUBCUTANEOUS IMMUNOTHERAPY IN PEDIATRIC PATIENTS WITH ALLERGIC RHINITIS AFTER THE EXPANDED INDICATION FOR SUBLINGUAL IMMUNOTHERAPY
  • ゼッカ メンエキ リョウホウ ノ ショウニ テキオウ カクダイ ゴ ノ ショウニ アレルギーセイ ビエン カンジャ ニ オケル ヒカ メンエキ リョウホウ ノ ヒツヨウセイ ニ カンスル ケントウ

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説明

<p>【背景】近年,小児のアレルギー性鼻炎患者に対する舌下免疫療法(SLIT)の適応が拡大されたが,敢えて皮下免疫療法(SCIT)を選択する患者が存在する.</p><p>【目的】注射の痛みを伴い,全身性副反応リスクの高いSCITを患者自らが選択した理由を調査する.</p><p>【方法】2018年6月から2021年1月の間に当院でSCITを導入したアレルギー性鼻炎患者58例を対象に,SCITを選択した理由について診療録を後方視的に調査した.</p><p>【結果】年齢中央値は9歳0カ月であった.SCITを選択した理由は,「SLITのアドヒアランス維持が困難であるため」が28例(48%)で最も多かった.次いで,「SLITの副反応のため」「SCITの効果に期待するため」「低年齢(5歳未満)であるため」「アレルギー疾患の治療動機付けのため」などが挙げられた.</p><p>【結論】患者は,アドヒアランス維持を要する,自宅で副反応が起こりうるなどのSLITの欠点を補う利点をSCITが持っていることを期待して,SCITを選択していた.</p>

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 70 (9), 1200-1206, 2021

    一般社団法人 日本アレルギー学会

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