自閉症スペクトラム障害における日本版WISC-IVの認知プロフィール

書誌事項

タイトル別名
  • Cognitive Profiles of Children With Autism Spectrum Disorder on the Japanese Version of WISC-IV:
  • 自閉症スペクトラム障害における日本版WISC-Ⅳの認知プロフィール : Cattell-Horn-Carroll理論によるサブタイプの検討
  • ジヘイショウ スペクトラム ショウガイ ニ オケル ニホンバン WISC-Ⅳ ノ ニンチ プロフィール : Cattell-Horn-Carroll リロン ニ ヨル サブタイプ ノ ケントウ
  • Subtypes Identified Using Factors From the Cattell-Horn-Carroll Theory
  • ―Cattell-Horn-Carroll 理論によるサブタイプの検討―

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抄録

<p> 本研究ではASDのある子ども116名のWISC-IVのデータを収集し,従来のWISC-IVの4因子モデルとCHC理論に準拠した5因子モデルを想定した確認的因子分析を行い,その適合度及び下位検査構成を検証した。どのモデルも高い適合度を示したが,「結晶性能力」「視覚空間」「流動性推理」「短期記憶」「処理速度」で構成されるCHCモデルが最も当てはまりがよかった。下位検査構成では「行列推理」が「視覚空間」に負荷する結果となり,海外における因子分析の結果とは異なるものであったが,日本における先行研究と一致した。また,5つのCHCモデルによる合成得点を用いて,クラスター分析を行い5つのクラスターを抽出した。言語能力-視覚空間能力の優位性と処理速度の低さに特徴がある自閉性障害及びアスペルガー障害で従来から報告されてきたプロフィールが確認されたものの,「短期記憶」や「処理速度」に強みがあるクラスターも同定された。また,「視覚空間」と「流動性推理」の得点に乖離があるクラスターもあり,WISCモデルよりもCHCモデルでASDのある子どもの個人内差をより詳細に把握できることを示した。</p>

収録刊行物

  • 教育心理学研究

    教育心理学研究 69 (3), 254-267, 2021-09-30

    一般社団法人 日本教育心理学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (27)*注記

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