当院における治療関連二次がんの特徴と転帰

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  • Characteristics and outcomes of therapy-related second malignant neoplasms in our hospital

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<p>背景:近年,治療関連二次がんの解明が進んでいるが,その経過や予後に関する報告はまだ少ない.方法:1980~2010年に当院で治療した,診断時18歳未満の小児603例を後方視的に調査した.結果:18例に治療関連二次がんを認めた.原疾患は急性白血病が最多で11例であった.二次がんは,造血器腫瘍5例,甲状腺癌3例,乳癌3例,消化管癌3例,骨軟部腫瘍2例,腎癌1例,胸膜腫瘍1例であった.原疾患診断から治療関連造血器腫瘍診断までは中央値6年6か月(3年3か月~15年4か月),治療関連固形腫瘍診断までは中央値13年11か月(4年4か月~26年8か月)であった.発見の契機は,定期診察9例,自覚症状8例,剖検での判明1例であった.治療関連造血器腫瘍のうち4例が造血幹細胞移植を施行され,治療関連固形腫瘍のうち12例が,一次癌として発症した場合と同様の標準治療を受けていた.治療を受けなかった2例は,確定診断前に死亡していた.死亡は5例で,死因は治療関連造血器腫瘍2例,治療関連固形腫瘍2例,原疾患の再発1例であった.生存者の中には早期発見され標準治療を受けたにもかかわらず,2年後に脳転移を認めた乳癌症例を認めた.結語:二次がんの予後改善には早期発見が必要であるが,それだけでは限界があり,病因のさらなる解明や新たな治療法の開発,二次がんリスクを軽減した原疾患治療の開発が必要である.</p>

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