瑞牆山山麓の森林斜面における土壌侵食の実態と要因について

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タイトル別名
  • The actual condition and factors of soil erosion on the forest at the foot of Mt.Mizugaki.

抄録

<p> 本研究は、山梨県北杜市に位置する瑞牆山山麓のカラマツ林およびミズナラ林を対象とし、現地観測によって、月ごとの雨量と土砂移動量による侵食の実態とその要因について明らかにした。調査地は標高1500mに位置する60年生のカラマツ林及び、隣接するミズナラ林にプロット(1×4ⅿ)を設定した。観測期間は2018年8月~2020年8月であり、期間総降雨量は2966mm(2018年8~12月747㎜、2019年1月~12月1331㎜、2020年1月~8月888㎜)であった。林内に設置した雨量計により、カラマツ林内雨量率は78%、ミズナラ林内雨量率は87%となり、ミズナラ林の方が林内雨量が多かった。カラマツ林の土砂移動量は平均48g/plot/month、ミズナラ林が平均120g/plot/monthと土砂移動量が2倍以上多かった。また、降雨量が多い夏季や、春先の凍結融解の時期に土砂移動量の増加が確認できた。プロットは獣害等の植生への影響を考慮し、獣害防除柵内外にそれぞれ設置したが、柵内外で土砂移動量に顕著な違いは確認できなかった。この地域はシカ等による獣害が長く続いていることから、柵設置から3年では土砂移動量の減少に至るほどの植生の回復は起きていないと考えられた。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390290088580879360
  • NII論文ID
    130008117901
  • DOI
    10.11519/jfsc.132.0_543
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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