口永良部島火山泥流土における菌根菌感染源の分布

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タイトル別名
  • Distribution of mycorrhizal fungal inocula in volcanic mudflow on Kuchinoerabujima

抄録

<p>火山噴出物の堆積によって生じた裸地は、植物の利用可能な栄養塩の不足、乾燥などの強ストレス環境下にある。菌根共生は、宿主植物の養水分吸収を促進することから、このような裸地への植物の定着に重要な役割を持つ。そのため、菌根菌感染源の有無やその組成は、その後の植物の侵入や植生遷移に決定論的な影響を与える要因のひとつとなるだろう。本研究では、鹿児島県口永良部島の火山泥流跡地において、外生菌根菌とアーバスキュラー菌根(AM)菌の感染源の分布を調査した。噴火跡地の任意の22地点から火山泥流土を採取し、口永良部島に生息するクロマツおよびメヒシバを用いたバイオアッセイを行った結果、クロマツでは海岸に近い2地点でのみ外生菌根菌の感染が確認されたのに対し、メヒシバでは約半数の地点においてAM菌の感染が確認された。また、火山泥流土から篩別・遠心法によりAM菌の胞子を分離した結果、採取したすべての地点において胞子が検出された。火山泥流土内に、微量ではあるが根などの植物遺骸が混入していたことから、AM菌の胞子は、泥流が流下する際に周囲の植物を巻き込んだことによって、火山泥流跡地に供給された可能性が考えられる。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390290088580902016
  • NII論文ID
    130008118065
  • DOI
    10.11519/jfsc.132.0_599
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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