北海道産カンバ類の用途開発 - 野球バットの事例

DOI
  • 大崎 久司
    北海道立総合研究機構森林研究本部林産試験場

書誌事項

タイトル別名
  • Developments of application for birch in Hokkaido - Case of baseball bat

抄録

<p> 北海道立総合研究機構では,北海道産カンバ類による内装材(フローリング)や家具などへの用途適性に関する研究を行ってきた。その中で、ダケカンバの密度や曲げ強度などの物性がシュガーメープルに近いことが明らかとなったことから,シュガーメープルが主に使われる野球用バットを製作し,立木から製品化までの工程における歩留まり等の調査を行ったので報告する。</p><p> 北海道大学雨龍研究林(幌加内町),三井物産フォレスト(株)社有林(厚真町,むかわ町)のダケカンバ19個体(胸高直径:24~56㎝,平均37㎝)からの50本の原木を道内の製材工場にて断面7.5㎝角×長さ105㎝に製材し(584本),本州のバット加工工場にて真空乾燥装置で人工乾燥を行った後,バットに加工した。加工したバットを目視により仕分けた結果,「プロ用」の品質の材が19%,「アマチュア用」が40%であった。北海道日本ハムファイターズの田中賢介選手(当時)による試打の結果,「メープルとアッシュの中間の打球感」との評価を受け,試合用バット10本(材密度:0.71~0.73g/㎝3)を提供し,プロ野球の公式戦で使用された。なお,本研究は,北海道からの受託研究にて実施した。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390290088581262080
  • NII論文ID
    130008117554
  • DOI
    10.11519/jfsc.132.0_206
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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