オオタカ繁殖地は木本植物多様性の指標になる:都市生態系における実証研究

書誌事項

タイトル別名
  • Goshawk breeding sites indicate high woody plant diversity: An empirical study in urban ecosystems

説明

<p>都市化は生物多様性に対する主要な脅威であり,その保全に配慮した都市計画が不可欠である.ただし,生物多様性保全は資源集約的であるため,限定的な時間,人的資源の下で実用的な保全策を計画する必要がある.この問題の解決策の一つは,指標種を使用して包括的な生物相調査を簡略化することである.ここでは,神奈川県の都市域で,木本植物多様性の指標としてのオオタカの実用性を検証した.2020年に各30箇所のオオタカ繁殖地/非繁殖地から500m圏内の木本植物の種数と個体数を調査した.これらの情報と図鑑や先行研究から抽出した機能形質をもとに,機能的多様性を算出した.オオタカ繁殖地/非繁殖地間で種数,個体数,機能的多様性を比較した結果,いずれの値もオオタカ繁殖地で非繁殖地よりも有意に高かった.オオタカは魅力的な形態によって,市民や行政による保全への理解と資金の拠出を促進する.さらに,頂点捕食者としての生態系機能の重要性と希少性から,彼らの保護は法制度や地域条例で義務化されている.したがって,オオタカ繁殖地周辺の保全により,市民や行政の協力の下,潤沢な保全資金を確保し,法的に担保された木本植物の保全を実現できる可能性がある.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390290088581321600
  • NII論文ID
    130008118052
  • DOI
    10.11519/jfsc.132.0_578
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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