コナラ当年枝の放射性セシウム濃度の季節変動

DOI
  • 坂下 渉
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 三浦 覚
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 長倉 淳子
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 金指 努
    福島大学
  • 篠宮 佳樹
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Seasonal variation in radiocesium activity concentration in current-year branch of konara oak

抄録

<p>コナラ当年枝とその幹の放射性セシウム(137Cs)濃度の間における一定の関係を利用して、当年枝からキノコの原木として利用される幹の濃度を推定する手法の確立が期待されている。現時点では休眠期(11~2月頃)のコナラ当年枝の利用が前提のため、季節的制限が存在する。そこで、コナラ当年枝中の137Cs濃度の季節変動を明らかにすることにより、当該手法の適用範囲の拡大が可能か検討した。本研究では、福島県田村市都路町の複数地点のコナラ萌芽林で各5個体を選び、同一個体から経時的に当年枝、葉、前年枝を採取した。当年枝の137Cs濃度を測定した結果、葉が展葉した直後(5月上旬)に濃度が急激に増加し、年間を通じて最も濃度が高くなった。その後、6月下旬にかけて濃度が大きく低下し、それ以降は大きな変化は見られなかった。葉と前年枝も同様の経時変化を示したが、葉は当年枝よりも濃度が高く、前年枝は当年枝よりも濃度が低いという関係が通年でみられた。本研究から、展葉期以外の期間の樹体内のセシウムの動きは相対的に小さいことが示唆され、休眠期以外の期間にも、当該手法の適用範囲を拡大できる可能性があることが分かった。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390290088581688320
  • NII論文ID
    130008117865
  • DOI
    10.11519/jfsc.132.0_474
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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