ニホンジカによる森林被害と政策~中国山地地域5県の比較~

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タイトル別名
  • Forest damage by Sika Deer and policies of five prefectures in the Chugoku Mountains

抄録

<p>ニホンジカ(以下,シカ)による森林,林業への被害拡大が全国的に懸念されている.その展開には地域性があることを踏まえ,本研究ではシカの林業被害と対策について各県の現状を明らかにし,比較によって県ごとの特徴と課題を明らかにすることを目的とする.調査対象は全国の動向と同様に素材生産量が増加している中国山地周辺地域(鳥取県,兵庫県,岡山県,島根県,広島県)とした.</p><p>対象県の鳥獣保護管理計画から各県のシカ対策への取り組みを時系列的に比較した.また,関係機関に問い合わせ,平成10年以降の捕獲頭数や林業被害額を元に県ごとの被害状況を比較した.</p><p>その結果,兵庫県のシカに対する対応が非常に迅速であることが分かった.他の県では国の法改正に追従する形でシカ保護管理計画を策定するなどの対応を取っていた.シカの捕獲頭数は年ごとに若干のばらつきはあるものの概ね各県とも増加傾向にある.各種の生息情報を時系列的に比較したところ,シカの生息密度の低下がみられる地域はわずかであった.林業被害額は減少傾向にあるが,造林面積の減少や,防除策の効果,被害が正確に把握されていないなどの可能性も考えられる.</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390290088582070016
  • NII論文ID
    130008117612
  • DOI
    10.11519/jfsc.132.0_245
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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